風邪でも「ジムでトレーニングしたい」や「少しくらいは運動したい」と思うことありませんか?
風邪をひくまで継続的にトレーニングや競技の練習をされてきた方であれば少しくらいの風邪であれば、トレーニングや練習しても大丈夫だろうと思われると思います。
パフォーマンスが落ちてしまうのが怖いのはわかります。しかし、風邪の時にジムでのトレーニングやスポーツ・競技の練習をするとあまり良いことがないのです!
風邪をひいてからのトレーニングと風邪の関係性についてお伝えしていきますね。
風邪の時にジムで運動・トレーニングをすると悪化する?
風邪の時にジムでトレーニングをしたいと思うこともあると思います。
体育会系で育ってきた方であれば、「少しくらいの風邪だったら練習できる!」と言われたり思って、運動されたこともあるかと思います。(私もそのくちでしたので(笑))
しかしながら、実際は風邪の時にトレーニングを行うと間違いなく悪化の一途をたどります!
言わずともお分かりかもしれませんが、「なんで?」という部分について触れていきたいと思います。
風邪の時のジムで運動・トレーニングで悪化する理由とは?
1:風邪を治すためのエネルギーが奪われる
通常は人のエネルギー(体力)は体の活動のために使われます。運動、筋トレなどをしているときですと、筋肉へエネルギーが行きます。
しかし、風邪の時にはエネルギーが「風邪を治すため」に使われます。風邪で喉が痛くなったり、熱が出たりするのもエネルギー(体力)を使って体内の病原菌と戦うためですよね。
ここで、風邪の時にトレーニングを行うと、「風邪を治すため」に使うエネルギーが「筋肉を動かす」ほうへ使われてしまいます。
つまり、風邪を治すためのエネルギーまでいきわたらないということです。
そうなると、もうお分かりでしょうが、風邪が治るどころか長引いてしまいます。ひいては、治すために使うはずだったところが治せなくなって悪化するということも考えらえるということです。
2:運動やトレーニングで免疫が落ちる
自宅やジムでの筋トレや、部活など、トレーニングを行うと3~72時間の間免疫が低下するという研究結果が出ています。
これは風邪をひいているのとひいていないのは関係なく免疫が下がるとのことです。
理由としては2つあります。
1:ストレスホルモンの「コルチゾール」の増加
2:活性酸素により体が酸化傾向になる
この2つです。
1:ストレスホルモンの「コルチゾール」の増加
コルチゾールは運動の時の体へのストレスの時にも出ますが、普段の日常生活でも不快な思いをした時にも出るストレスホルモンです。
このコルチゾールが多くなると免疫力が下がります。免疫力が下がると風邪をひいていない方は風邪をひきやすくなり、風邪をひいている方はさらにほかの病気まで合併してしまうこともあります。
2:活性酸素により体が酸化傾向になる
ハードな運動を行うことによってなる事象として体が酸化傾向になるということがあげられます。
これは運動によって活性酸素が体の中で多くなり、酸化ストレスの増加によってナチュラルキラー細胞の活性が低下してしまいます。
ナチュラルキラー細胞は、体の免疫力をつかさどっているため、この細胞の活力が下がると免疫力が下がってしまうということです。
これによって、風邪がさらに悪化してしまうということですね。
3:ジムでの感染
ジムではいろんな方がトレーニングをされています。
その中には、少し風邪気味の方だったりも残念ながらいらっしゃいます。
このように免疫力が落ちているときには、ほかの方の違う風邪ウイルスをもらってしまってさらに風邪が悪化するということも考えらえます。
ハードな運動をして、免疫が下がっているときに風邪の菌入ってくると健常者でも風邪をひきやすい空間であるのは間違いありませんね。
予防の仕方は難しいですが、ジムなど集団でトレーニングをするところは風邪をひきやすいところ、悪化させやすいところであると思っておいてよいと思います。
風邪の時に運動をすると治るという神話
なぜか、暗黙のうちに風邪の時に運動したら治る、治ったという話がありますよね。
しかしですが、風邪の時に運動をして、治っている人を私は見たことがありません。そしてこの記事の内容から治るとも思いません。
運動して治ったとしてもそれは風邪が治りかけだったか、しっかり長引いて治ったかという事だと思います。
のちにも書きますが、風邪の時に運動すると以下の心配事があります。
・運動後は免疫が下がる
・風邪を治すために使うエネルギーが運動に向いてしまう
これらのため、運動をして治ったというのは少々乱暴ですが「気のせい」としか思えません。
私の友人で、風邪をひきながら野球の練習に出たばっかりに肺炎になってしまい、2週間入院した方もいらっしゃいます。
おそらく、風邪の時に運動すると風邪が治る!というのは何かの思い込みなのかなというのがここでの意見です。(実際にそうだ!と思われる方の意見は否定しません。あくまで私の意見ですので)
風邪の時には運動やトレーニングを休んだ方がいい?
はい、もちろん休みましょう!というか、周りの方への影響と自分の体の悪化が考えられるので、絶対休みましょう!
休まないとどうなるんか?恐怖を植え付けるわけではありませんが、なぜかということもお伝えしていきます。
風邪で運動・トレーニングを休まないとどうなる?
冒頭でお伝えしていますが、人のエネルギーは風邪をひいているときには「風邪を治すため」に使われます。
それが、風邪の時にトレーニングをしてしまうと、風邪へ使うエネルギーが筋肉へ行ってしまい、風邪への対処が追いつきません。
さらに筋肉へエネルギーが行くとしても風邪への対処のためにエネルギーを使っているので、明らかにパフォーマンスは落ちます。
パフォーマンスが落ちると「前はこれくらいできていたのに」という自己嫌悪の気持ちになりやる気まで落ちてしまうので、いいことありませんよ。
よく、「気合で練習やトレーニングをすれば治る!」という根性論がありますが、私は何の根拠もないと考えますので、おとなしく休んで治した方が後々のトレーニングのためにも絶対にいいですよ。
風邪で運動やトレーニングを休むと筋肉が落ちる?
よく、「筋トレしないと筋肉が落ちる気がする」という心配の声がありますが、風邪をひいてしまった時点で風邪への対処を考えておいた方が賢明です。
風邪でトレーニングを休んで筋肉が落ちるかというと、「2週間を超えて休むと落ちる」が今の通説です。
まず、1週間くらい休んでも筋肉は簡単には落ちません!筋肉が落ちるのではなく、筋肉と神経のつながりが良くなくなり「筋力」が落ちます。
そのあとに、2週間くらいたって「筋肉」が実際に落ちていくことが分かっています。
風邪をしっかり治そうとすれば、たいてい2週間も寝込んだりすることなく回復すると思いますので、筋肉が落ちるという心配は不要と思って療養に専念される方がお勧めです。
むしろ、風邪の時に筋トレを行って、風邪がさらに悪化するスパイラルに陥り、なかなか治らずジムに行けないというほうがデメリットだと私は思いますよ。
風邪で運動やトレーニングを再開するのはいつ?
再開するのは、「完全に治ってから」が適切ですよ。
なぜかというと、「治りかけ」ではまだ体の中にウイルスが残っている状態ですのでエネルギーが風邪のウイルスと戦っている状態です。
そのため、先ほどと同様にパフォーマンスとしても下がります。
なので、完全にすっきり治ってからジムでのトレーニングや部活の練習などは再開するといいでしょう。
風邪が治って運動・トレーニングを再開するときの注意
1:パフォーマンスは落ちている
風邪が治ってからトレーニングを再開しても、風邪をひく前と同じレベルで動けると考えてはがっかりしてしまうことが多いですよ。
先ほどお伝えしたように、筋肉と神経のつながりが薄くなっているため「筋力」は落ちています。
さらに、体力としても下がっている可能性があるため、再開してすぐはあまり期待しすぎないほうが良いですよ。
実際に、私も風邪の治りかけにジムへ行ってベンチプレスをしたのですが、風邪をひく前には80㎏を4回上げれたのが、80㎏が1回まで下がっていました。
がっかりしましたが、筋肉が落ちているわけではないため続けていくことで元の重量まで復活させることができました!
これらのように、トレーニング再開後はパフォーマンスは落ちますが、しょうがないことなので頭に入れておくとがっかりしなくて済みますよ。
2:ウォーミングアップは2倍ほど!
風邪を治すために体を動かすことも少なくなると、間違いなく柔軟性が落ちています。
そのため、ウォーミングアップは念入りに行ってけがをしないように気を付けましょう。
目安ですが通常の2倍くらいかけてもいいのではないかと個人的には感じます。
また、高負荷をかけすぎると「ブチッ!」っといってしまうこともあるため、体を慣らすためにも初日は軽めにするほうが良いでしょう。
もしくは軽い負荷で体を慣らすのがいいでしょうね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
風邪の時には運動やトレーニングをすると免疫が下がって悪化するので、休む!というのが一番であることがお分かりいただけたかと思います。
再開するときにも、完全に治ってから軽めに始めるようにしてケガには気を付けてくださいね。
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