「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」
この一文が何かご存知でしょうか。
これは、国民の祝日に関する法律で、「成人の日」の説明です。
日本では、成人の日に、新成人に対してお祝いを渡す文化があります。
それは、“大人になったことを励ます”という意味があるということです。
そしてお祝いを渡すときに、渡すときのマナーを
完璧に守っているという自信のある方はいらっしゃいますか。
贈答には、個々の贈答に見合った細かい約束事があって、覚えるのも簡単ではありません。
でもそこは、大人の先輩としての自覚を持って、
しっかりとした作法で行いたいものですよね。
今回は親戚の子供に成人のお祝いを渡すときのマナーについて、
金額の相場から包み方に至るまで、色々な決まり事を伝授します。
間違えたやり方をして新成人に笑われないように、
この機会にもう一度チェックしておいて頂ければと思います。
成人式のお祝い 相場はいくら?
親戚の場合のお祝いの相場は5,000円~20,000円だそうです。
10,000円程度という声も聞きますし、
要は関係の幅や付き合いの深さによるのだと思います。
渡し方は何も現金だけとは限りません。
例えば、現金で15,000円を渡すのも良いですが、
「現金10,000円+5,000円分のプレゼント」というようにミックスすると、
受け取った側としては、たくさんもらえてラッキーな気分を味わえるかもしれません。
プレゼントにはお花も良いですが、アクセサリーや小物など実用的な物にすると、
後々まで役に立って、記念になると思います。
また、成人ですから、一緒にお酒を飲みに行くというのも
アイデアとして面白いと思います。
相手との親密さにもよりますが、「現金+ディナー」というのは、オシャレで素敵なお祝いになりますね。
成人式のお祝いはいつ渡す?
成人式のお祝いは原則として、
当日か前日までに渡すのが望ましいとされています。
もともとは当日に渡すのがマナーだったそうですが、
実際には、当日というのは忙しいものです。
特に女性は大変です。美容院が混雑しますので、
早朝から着付けをして急いで式に向かうという方も多いのではないでしょうか。
ご両親も朝から子供に付き合って、写真を撮ってとバタバタすると思いますので、
お祝いは敢えて事前に渡してあげるのも思いやりかもしれません。
さらに、成人式には、衣装や写真などお金がかかります。
ですから、前もってお祝いを渡してあげることで助かることもあるかもしれません。
例えば、成人の日よりも前にお誕生日があるのであれば、
お誕生日のタイミングで渡すというのも手ではないしょうか。
因みに、成人の日に関して、以前は1月15日でしたが、
現在は1月の第2月曜日となっています。
成人式のお祝い 袋はどんなのがいい?
お祝いに現金を包む場合には、ご祝儀袋に入れましょう。
水引には、紅白の蝶結びを選びます。
表書きはいくつかありますが、
「祝御成人」「御成人祝」「御祝」「成人お祝い」などが一般的です。
下段にはご自身の名前を書きますが、
もしも連名であげる場合には、目上の方を右側に書きましょう。
夫婦で連名にするならば、右側に夫のフルネームを書き、
その左側に妻のファーストネームだけを書きます。
さて、近くに住む相手なら直接渡すことも可能ですが、
遠方の場合には郵送になるかと思います。
その場合には先に示した祝儀袋を現金書留の封筒に入れて送りましょう。
その時に手紙を同封するとお祝いの気持ちが伝わって良いですね。
文章が苦手なら、一筆添える程度でも構いません。
パソコンより手書きの文字の方が、より温かみがあって良いかもしれません。
また、現金であれば必ず新券を用意しましょう。
お祝いですから、キレイな紙幣を用意して
少しでも相手に喜んでもらおうとする姿勢がマナーと言えます。
まとめ
最近は「荒れる成人式」と言って、成人式の会場で、
ケンカをしたり飲酒をしたりして暴れる新成人が問題になり、
メディアで取り上げられることが多々あります。
大人になった節目の日に、こういった騒動を起こすというのは
確かに見ていて安心できるものではありません。
「こういう若者が支えていく未来は、果たして大丈夫なのだろうか」と
不安になる年配の方がいてもおかしくはないと思います。
でも、少し考えてみてください。人間はいくつになっても間違うことはありますし、
生きている限り他人に迷惑を掛けないなんてことは有り得ません。
教育者やお年寄りによる犯罪が現実にはありますし、
極論ですが、呼吸をしているだけで二酸化炭素を排出して地球を汚しています。
子供が間違っていて、大人が正しいという理屈は絶対にありません。
「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」のが、
成人の日なら、“大人だって間違うのだ”ということをまずは自覚すべきでないでしょうか。
今回紹介したお祝いに関するマナーも、間違えていらっしゃる方がいてもおかしくはありません。
「人の振り見て我が振り直せ」ではありませんが、若者のマナーの悪さを指摘する前に
自分自身を省みることも悪くないと思います。
そして間違っていた時は是非、素直に認めて直しましょう。
そういう態度を若者はしっかりと観察し模範としています。
悲観するだけでは何も変わりません。
間違えたら素直に認めて正す姿勢を教えてあげることが、
「みずから生き抜こうとする青年をはげます」ことになり、延いては社会全体の向上につながるのではないでしょうか。
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