みなさんは、秩父夜祭というお祭りを知っていますか?
秩父夜祭とは、京都祇園祭、飛騨高山祭と並び、
「日本三大曳山祭」の一つです。曳山祭とは、山車を曳くお祭りのことです。
300有余年の歴史を持つこのお祭りは、埼玉県秩父市にある秩父神社にて毎年12月1日~6日まで開催され、
12月2日が宵宮、12月3日が大祭となり、3日の夜にクライマックスをむかえます。
国指定重要民俗文化財となっている、中近・下郷・宮地・上町・中町・本町の
6つの屋台・傘鉾(かさぼこ)が牽引され、毎年20万人余りの人が訪れる伝統的なお祭りです。
見どころは2日と3日に上げられる花火で、特に3日の花火は迫力があると言われています。
寒さで澄み切った空を照らす屋台の灯り、その後ろに大きく上がる沢山の花火は、
見る者を虜にしてしまう圧巻の景色なのだとか。
でも、あまり馴染みのない場所に出向き、人々で混乱するお祭りを楽しもうという計画は、
そう簡単には成功しませんよね。
今回はそんな秩父夜祭をたっぷりと堪能するためのメソッドを紹介したいと思います。
初めての人でも失敗しないように、できるだけ細かく、
色々な方法を提案できればと考えていますので是非、参考にしてみてください。
秩父夜祭りを宿泊で楽しむ!
まず、秩父夜祭を宿泊して楽しもうと考えている方に、
お勧めの宿泊先について紹介したいと思います。
秩父夜祭は各地から多くの人が訪れます。
そこで問題になるのが交通機関の混雑と道路の渋滞です。
道路に関しては通行止めになる個所もありますので、
不慣れな方はやはり電車の利用をお勧めします。
電車も混雑するそうですが、
車のように止まってしまうことはありませんので、まだ安心だと思います。
会場の秩父神社は秩父鉄道の秩父駅より徒歩6分程度、
西武秩父駅からは12分程度となっています。
従って、秩父駅付近にあるホテルを選べば、
宿泊先へもお祭りへも駅から徒歩で行けるので、一番安全な選択だと思われます。
さて、ここで気になるのが、駅付近のホテルの中で、
部屋から花火が観覧できるところはあるのか、ということですよね。
単刀直入に申し上げて、実は、
部屋から花火が観覧できる宿泊施設は存在しないのだそうです。
秩父旅館業協同組合公式ホームページに記載されている
秩父観光情報館に直接、確認したところ、
「部屋から花火が観られる宿泊施設はありません」と断言されました。。。
従って、秩父夜祭を宿泊して楽しむ場合は、
宿泊施設より花火スポットへ移動するしか方法はありません。
花火の観覧スポットや穴場に関しては次の章で詳しく紹介するので
ここでは割愛しますが、実は観覧スポットも駅周辺にあります。
つまり、屋台を眺めるのも、花火を観るのも、秩父駅から徒歩圏内で済ませられますので、
宿泊施設も絶対に秩父駅周辺が良いと考えられます。
ここで、秩父駅からも秩父神社からも花火鑑賞スポットからも近いホテルを2つ紹介します。
1つ目は、「第一ホテル秩父」です。
このホテルは、秩父鉄道の秩父駅より徒歩1分と、とにかく便利です。
電車を降りて人込みの中、重い荷物を持ってホテルを探すのは本当に疲れますので、
わかりやすい場所にあるのはとても助かります。
2つ目は「ホテルルートイン秩父」です。
こちらは西武秩父駅から徒歩3分という立地で同じく大変便利です。
秩父神社までの距離は第一ホテルの方が近いですが、
こちらも12分程度ですので、決して悪くないと思います。
ご自宅からのアクセス上、西武線の方が都合良いのであれば断然こちらが便利です。
ただし、ここに来てすべてを覆すようで申し訳ないのですが、
この2つのホテル、12月2日と3日に関しては9月時点でいずれも満室です。
秩父夜祭は夜がメインのため、宿泊して楽しもうとする方が多く、
近くて人気のホテルは、すぐに予約でいっぱいになってしまうのだそうです。
定連さんは宿泊した日に1年後の予約を入れることもあるそうです。
では、今年のお祭りを宿泊で楽しむことは不可能かと言われれば、
そうではありません。他の方法を幾つか紹介させて下さい。
- 近隣都市の熊谷駅に宿泊する。
秩父駅から熊谷駅は電車で1時間もかかりませんので、
熊谷駅周辺にあるシティホテルに宿泊するという手があります。
ただし、電車は混みますので、ある程度覚悟していきましょう。
- バスツアーに参加する。
ここではツアープランを2通り紹介します。
まず1つ目のプランが、お祭り当日の午前中に出発して、
秩父にて夜中まで祭りを楽しんだ後、深夜にバスに乗り、
翌朝到着するという車中泊のコースです。
バスであれば飲酒もできますし、渋滞も気にせずのんびり休めるのは良いと思います。
ただ、車中泊なのでゆっくり睡眠できるかという問題はありますね。
因みに有名な観光バス会社で検索したところ、
東京、神奈川、千葉からのツアーがヒットしました。
例えば、東京都浜松町発のコースで、7,980円というツアーがあり、現時点では空席がありました。
次に、車中泊を避けたい方にお勧めしたいのが、
県外の宿泊施設に泊まるプランです。
お祭り当日の午前中に出発し、秩父にて夜祭りを楽しんだ後
バスに乗って栃木県の宿泊施設にて一泊するというものです。
宿泊先へは深夜の到着です。
翌日は群馬県の名所も回って観光を楽しんで帰る、というルートだそうです。
こちらも浜松町発のコースで調べたところ、
トイレ付きのバスを使用して、25000円~30000円程度ですが、現時点でまだ空席がありました。
秋に差しかった今の時期では秩父市内の近隣エリアに空室を探すのは困難かと思います。
それでもせっかくの夜祭ですから帰宅時間を気にしないで楽しめるというのは
とても重要なポイントになると思います。
ですから、今年の夜祭を宿泊で楽しみたいのなら、
ただ今紹介したコースも視野に入れて検討されてみてはいかがでしょうか。
ところで、話は変わりますが、12月の秩父は本当に寒いです。
ここで少しだけ防寒対策について紹介します。
花火を観るにも屋台を観るにも、必ず外へ出なければならないわけですが、
最低気温は2~3度まで下がるそうです。
お出かけの際には、コート、マフラー、手袋、携帯カイロは必須です。
屋台見物では人込みにもまれるので熱気に助けられますが、
花火はとにかく寒いとのことです。
特に女性の中には冷え性の方も少なくないはずです。
末端冷え性の方にとって、外出先で手と足の指先が痛くなり、
感覚を失ってしまうことは多々ありますよね。
寒さが気になって花火に集中できないのは勿体無いです。
そこで、防寒の際のポイントですが、重要なのは首を温めることだそうです。
首を温めることで末端の冷えも緩和されるそうですので、
マフラーは絶対にしていきましょう。
また個人的には靴下を2枚重ねて履いたり、
靴用のカイロを使ったりするは即効性があって、とてもお勧めです。
そして最後にもう一つ。冷えるとトイレが気になりますよね。
「秩父夜祭交通案内図」というものが秩父観光協会のホームページに更新されますが、
そちらでトイレの場所が確認できますので、
事前にプリントアウトして持って行くと良いかもしれません。(同ホームページにて10月頃にアップされるそうです。)
秩父夜祭りの花火を楽しむには?
夜祭での花火は2日間開催されます。
ここでは花火を楽しむための方法を書きたいと思います。
1.日時
12月2日 19:00頃~20:00頃
12月3日 19:30頃~22:00頃
2.場所
花火を打ち上げる場所は羊山公園です。
花火を観るためのスポットは国道140号線の沿線に幾つかあります。
◎ウニクス秩父
中に入っているお店により営業時間は変わりますが、
1階にあるスーパーの営業時間は22:00までです。食べ物を買いに行ったり、トイレを使ったりできて便利です。
◎秩父市立南小学校付近
秩父駅から徒歩5分という近さで、空き地や駐車場が多く落ち着いて観られます。
前章で紹介した駅周辺のホテルに宿泊し、
日中は屋台を見物し、夜は穴場で花火を観覧するというのが
一番スマートで有意義なプランだと思います。
移動はすべて徒歩になりますので、寒さは避けられませんが、
花火をウニクスで観覧すれば、一時的に暖を取ることも可能です。
秩父夜祭りに露店は?
秩父夜祭は日中から夜遅くまで、長い時間に渡り楽しむことができます。
そこで気になってくるのは食事事情ではないでしょうか。
お祭りには毎年、1000軒を超える露店が出店し種類も充実していますが、
出店は3日のみということですので、他の日程で予定されている場合には注意が必要です。
露店に関してはテントを張った大型の休憩スペースを設けているところもあるそうです。
ここで心配なのは寒さです。飲食店に入れば暖も取れてほっとしますよね。
ただ、メインの3日は、周辺にある飲食店が混雑するそうですので、
並ぶ覚悟が必要かと思われます。
近隣には「道の駅ちちぶ」があり、食堂の他、特産品の販売もしています。
トイレもあって気軽に入ることができますが、
営業時間は19:00時まで(レストランは18:00)ということで早めに行かれることをお勧めします。
ここは先に紹介した花火の穴場スポットである国道140号沿線にあります。
ですので、昼間は道の駅付近を拠点にして、
夜はウニクスで花火を観覧するというプランも良いかと思います。
(ウニクスと道の駅は隣り合っています)。
因みに、「秩父夜祭 祭礼区域 傘鉾屋台曳行図」というものが
秩父観光協会のホームページにてダウンロードできますので、
こちらで観覧ポイントを確認しつつ、食事をすると良いかもしれません。
(先にトイレの件で紹介した「秩父夜祭交通案内図」と同じです。同ホームページにて10月頃にアップされるそうです。)
余談ですが、露店のお勧めは「みそポテト」だそうです。
ゆでたジャガイモをカリッと揚げて、甘辛いみそだれをかけた
秩父B級グルメの代表格です。
衣のサクサクにジャガイモのホクホクが混じり合った
絶妙な食感に加え、ジャガイモ本来の甘味とたれの甘味がハーモニーとなって、
癖になる逸品だそうですよ。
他には、「おっ切り込みうどん」という太麺のうどんは
誰からも愛される安心する味で定評があります。
また甘酒が置いてある露店もあるそうです。
飲食店に入れないと、寒さと人込みに疲れてしまいます。
そんな時はとりあえず温かいものでも食べて心と体をリフレッシュさせたいですね。
因みに、夜祭には桟敷席という屋台観覧席が用意されています。
全席有料となりますが、露店で買った食べ物を持って行き、
食事をしながら観覧するということが可能だそうです。
参考までに2015年の金額を紹介しますと、
1階の座席が8,000円、2階の立見席が7,000円とのことです。
桟敷席は毎年10月中旬頃に予約を開始するそうですが、
秩父観光協会のホームページで情報が更新されますので、
興味のある方は早めに確認しておくと良いかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。埼玉県とは言っても、
12月の秩父はとにかく寒いです。
その凍てつく寒さの中で、昼間から屋台、
夜は花火を観覧するというのは実はかなり過酷です。
でも、澄んだ冬の夜空に浮かぶ屋台の灯りと巨大な花火、
その景色を想像すれば、「とりあえず一度見てみたい!」と、思ってしまいませんか。
お祭りの魅力の一つに、その場の雰囲気に酔えるというのがあると思います。
非日常的な空間で、屋台や花火を楽しみ、
珍しいご当地グルメを食べて、何ならお酒でも飲んで、
そうやって五感でいっぱいお祭りに浸ることができれば最高の思い出になりますよね。
一方、お祭りにある一番の弱点は何でしょうか。
それはやはり、「祭りのあと」です。誰もが現実に戻る瞬間。
夜遅くまで楽しんだ先に待っているのは、大勢の人込みをかきわけて帰路に就く切なさです。
寒い駅のホームに立てば、祭りの酔いは一瞬にして冷めてしまいます。
また、「帰りのことを考えると、体力が心配でお祭りを楽しみきれない」なんて心配性の方もいるはず。
でも、もしも宿泊することができたなら、その寂しさや懸念が少しは軽減されると思いませんか。
電車のラッシュとは、いわば現実の象徴です。
そこを避けることができたなら、体力の許す限り目一敗楽しむことができるかもしれないし、
お祭りの酔いが一気に冷める切なさを感じなくて済むかもしれません。
そこで、秩父夜祭へ行くのなら、今回紹介した宿泊ルートを実践してみませんか。
「花火は夏の風物詩」、「寒い日は家の中に限る」、「祭りのあと」そんな常套句を忘れるくらい、
思い出に残る経験ができるかもしれませんよ。
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